2013年6月2日日曜日

日本はあらゆるシステムが複雑すぎる

(今回も敬体で…たぶんこのままなし崩しに敬体で通すと思います。)

9ヶ月前。日本に帰るにあたって、帰国直後の数日宿泊するためのホテルを予約する必要がありました。で、相当久しぶりに楽天トラベルを使って宿を探そうとしたら、欧州でホテルを探すときには考えられないくらい複雑なプランが一杯ありすぎてびっくりしました。同じホテルに宿泊するにも「Quoカード付」、「グルメチケット付」、「岩盤浴割引券付」などプランが一杯あるわけです。僕としてはそんなのどうでもいいから、昼前にホテルに着くのでチェックインの時刻が何時か知りたかったのですが、そういう基本的な情報を得るためにすごい苦労を要しました。このときは結果として、「12時からチェックイン可能!ラブカップルプラン」というプランを予約したのでした。なんか違うんだけどなと思いつつも、着いてすぐに布団で眠れるようにするにはそれぐらいしか選択肢がなかったのです。

そして。日本に到着したら、日本での生活インフラを1から整備する必要に迫られまして。まずは携帯を手に入れるところから始めようと某家電量販店に行ったら、今度は携帯のシステムがあまりに複雑すぎてびっくりしました。本体価格はいくらで、ナントカ割に入るとそれがいくらになって、でもそのかわり解約できる時期が限られてしまって、結果として本体価格の一部は月々の通話料と一緒に何円ずつ支払って…もう複雑すぎてさっぱり意味が分かりませんでした。
(また、このときの家電店の店員の一方的に畳み掛けるような説明もひどかったのですが、これについて書いてたら長くなった上に本題とはやや違うので全部カットしました。)

日本の電車やバスのシステムも欧州に比べたらすごく複雑です。僕の知る限りヨーロッパのたいていの国では市内交通は一回一律何ユーロと決まっていて、制限時間内ならどれだけ乗っても良いシステムになっています。乗車距離の違いを料金に反映させる仕組みは、大まかな”ゾーン”で料金が変わるようになっている程度で、日本みたいに数駅毎に細かくバスや電車の運賃が変わるような複雑なシステムは見たことがないです。

ホテルも携帯も電車も、日本のあらゆるシステムが複雑すぎることを示す解り易い例だと思います。どれも、各論ではそれぞれなりの理由があるんでしょう。ホテルや携帯は他社との競争だったり、電車やバスは乗車区間に応じて運賃を変えないと不公平だとか。でも、こういった個別の事情を汲んだ上で「全体をデザインする人」が日本にはいなくて、どんどん社会全体が複雑になっていってるように思います。結果として日本という国全体が、豊富な機能を持っているけどボタンがびっしり並んでて複雑すぎて「今これをやりたい」を実現するにはどうやっていいのか分からない残念な機械みたいに僕には思えるのです。

もっと言うと、「社会をシンプルに保ちたい」とそもそも日本人はあんまり思って無いんじゃないかなと思います。日本人だってこんなシステムの複雑さが本気で嫌だったらさすがになんとかしろと怒り出すだろうと思うのですが。こういう話を日本人にすると、僕の話に一定の理解を示してはくれるものの、それが重大な問題だとはあんまり思ってなさそうなのです。むしろ日本人って、こういう複雑なシステムに対して「知識」や「裏技」を披露しあったり、「コンシェルジュ」とかいってこの複雑さから最適な選択肢をレコメンドするサービスを作り出したりして、どこか楽しんで付き合ってるようにさえ思えるのです。スペインだったらたぶん日本みたいな複雑なシステムにはならないでしょう。お客さんの目に触れる以前に、サービスを提供する側がそんなに複雑なシステムを作ろうと思わないんじゃないかと思います。これはスペインに限らず、たぶん欧州全体そうだと思うんですが。彼らは社会をシンプルに保つべきだという意識があるように思えるのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿