2021年2月21日日曜日

NiziUとオリンピック組織委員会

 年明け以降、忙しさにかまけてこのblogをすっかり放置しておりました。まぁ、いつものことです。これを書いている現在、森喜朗の女性蔑視発言に端を発して、オリンピックの組織委員会の会長にすったもんだの末にようやく橋本聖子に決定した…という状況です。

話のマクラにオリンピックの話を持ち出したのですが、ここから少し昨年末の紅白歌合戦の話をします。この紅白歌合戦では、初出場のNiziUとナントカ坂の新旧アイドルがこれでもかというくらいに対照的に見えました。ナントカ坂はどのグループをとっても正直なところ同じに見えました。全員が同じ衣装で「替えのきく部品」として規格化された中で細かい個々人のキャラを楽しむ…というところはAKB商法そのままに見えるんですが、この手法そのもののオワコン感も含めてナントカ坂は総じて下り坂に見えました。

一方のNiziUですが、こちらは日本人がやってるけどイデオロギー的には韓国アイドルです。衣装もそれぞれ微妙に違ってる。ダンスもレベルが高い。BTTSの成功などを引き合いに出すまでもなく、「グローバル市場からやってきた黒船」なのです。NiziUとAKB=秋元との決定的な違いは何だろう?と考えると、NiziUは女の子に向けて訴求できることが大きいんじゃないかと思います。

思い返してみれば、男のための都合のいいアイドルvs男以外も楽しめるアイドルという構図について話を始めると、おニャン子クラブくらいから遡って長い歴史があると思うのですが。AKBは秋元康がおニャン子の成功体験を焼き直していたはずなのに、「会えるアイドル」という新規コンセプトの導入と引き換えに、おニャン子が確立した「女の子に支持される」という要素を捨ててしまったという弱点が、NiziUのブレイクのよって露見する形になりました。

男のための都合のいいアイドルと違って、NiziUは恋愛禁止なんていうことは言わなさそうだし、スキャンダルが発覚したからといって頭を丸めさせられるようなことはたぶんないでしょう。つまり、NiziUは女性が解放されている感じがするのです。他にもEXILEファミリーのアイドルとして売り出しているgirls girlsなど、ダンスに重点を置いて女の子から支持されるようなアイドルが市民権をだんだん支持を集めつつあるようです。

さて。オリンピック組織委員会の話に戻りますが。オリンピック組織委員会の数々の問題は、AKBのような「男のための都合のいいアイドル」が幅を利かせていた日本という国の在り方と同根の問題なのではないでしょうか。イデオロギー的には韓国アイドルなNiziUとの違いを見ても分かるように、AKB的なアイドルは日本のガラパゴス環境でしか成立しないわけです。そして、NiziUの台頭にも明らかなように、この国のアイドル市場にもとうとうグローバル化の波が押し寄せてきています。

こういう時代の潮目を全く読めないような、頭の中が昭和のままの老人の集団がオリンピックのような国際イベントを仕切っているということで、結果的にこの国の恥を世界に晒してしまいました。森喜朗の子分の橋本聖子を組織委員長に据えるよりも、現行の組織委員会を全員解任して代わりにNiziUのメンバー全員を組織委員会に入れるとか、それくらい思い切ったことをするべきなんじゃないかな?と思ってしまう次第です。