2023年1月2日月曜日

チェンソーマンは今までの少年ジャンプの漫画とはちょっと違う気がする

進撃の巨人以降、アニメから見始めて面白いと思っても原作漫画を読まずにアニメで見るのを辛抱強く待ち続けることができるようになりました。お金の問題もさることながら、せっかく後でアニメで見るならそれまで中途半端に原作を読まないでいる…ということができるようになったのです。このリストの中に、鬼滅に続いて2022年秋から放送が始まったチェンソーマンも加わることになりました。

以前このblogでも触れた話ですが、少年ジャンプのバトル漫画はどうしても「父=血」が登場してしまうのです。父の存在は理不尽で凄惨な戦いに少年が巻き込まれる動機になることもあれば、戦いの中で父から受け継いだ特別な能力が開花して少年が強くなったり、時には父が試練を与えて少年を導くこともあります。鬼滅でもBLEACHでも呪術廻戦でも、少年ジャンプのバトル漫画は長く続くと必ずこのパターンになってしまうです。

しかし、チェンソーマンにはこのような役割を果たす「父」が出てこないのです。正確に言えばデンジは父を殺したのか?という文脈で父親は登場するようです(ちゃんと読んでないのですがウェブで調べた限りどうもそういう話のようです)。しかし、デンジは特別な能力を父から受け継いだわけでもなければ、父によって強く鍛えられたわけでもありません。やや脱線しますが、父殺し=エディプスコンプレックスの物語というのも、ドラゴンボール(悟空は孫悟飯をサルになって踏みつぶした)、進撃の巨人(父を食べて巨人の能力を継承)など枚挙に暇がないくらい全人類的に有名な物語ですね。

これをちょっと深読みして考えてみると。日本の若者には「上の世代から何かを受け継ぐ」ことよりも、「上の世代から負の遺産を押し付けられている」という被害者意識の方がリアリティがあるということなのではないでしょうか?無力な父から受け継げるものは何もなく、無力な父はせいぜい殺すくらいしか選択肢がない…所謂「Z世代」及びその下の世代のそのような諦めがチェンソーマンの世界には見てとれるように思うのです。

しかし、チェンソーマンを週刊少年ジャンプで連載していたというのがすごいですね。。お色気シーンもそれなりに多いし、内容的にはヤング誌に掲載されていてもおかしくないと思います。しかし、よく調べてみたら、週刊少年ジャンプからジャンプ+に引っ越しになったそうです。

YouTuberと水木一郎

 気が付いたら年が明けてしまいました。昨年は夏ごろから質・量ともにかつてないレベルで仕事の山場が押し寄せてきたり、しかもお盆にコロナにかかったりで、いろいろ大変でした。今年は去年ほど大変なことにはならないと願いたいです。気が付いたらこのblogは2013年から始めたので、もうじき10周年を迎えることになってしまいます。月日の経つのは早いものですね。。

年末にアニメソング界のレジェンド水木一郎が亡くなりました。以前このblogでアニメソングの世界は「老い」を許さないエバーグリーンな世界であるということを書いたことがあるのですが、とうとうそれが強制終了となる日が来てしまった気がします。これから、マジンガーZの歌は誰かが引き継いで歌うんですかね?それとも、これを機にアニメソング界という世界は世代ごとに分断されるのでしょうか?

またその一方で、年末にYouTube界でも有名なまいぜんシスターズというチャンネルのキャラクターの声が突然変わったことが結構話題になりました。僕も一時期まいぜんシスターズのマイクラ実況を子供が見ていたので、久しぶりに見たら声が突然プロの声優さん?らしき人に変わったのはちょっとショックでした。その後一旦元の声に戻ったり…と、いろいろ迷走しているようです。

どちらの話も、見てる側は一度作り上げられたキャラクターやポジションを反復生産することを求めているのに対して、それに応え続けることが難しいという点は共通しているように思います。まだ芸能界ではそれなりにキャリアをマネジメントする仕組みが確立されているのでしょうが、YouTuberってそういう仕組みさえもまだ確立されていない世界ですからね。YouTuberが心身病んだり、マンネリで煮詰まった末に辞めて行ったりするのもすごくよくわかる気がします。

だからどう、っていう気の利いたオチや結論があるわけでもないのですが。強いて申し上げるのであれば、読んでる人がいるのかもわからないこのblogは誰の期待に応える必要もないので、今後も気楽にネット空間の片隅に思い付いたことを時々書き連ねていきたいと思います。