2019年5月6日月曜日

おじさんがプリキュアにハマる気持ちがわかるようになってきた

10連休。だったはずなのに今日が最終日です。GW前に引いた風邪がだいたい治ったかとおもったら、ぶり返して2日寝込んだり、車のミラーを壊してしまったり…そうこうしているうちに終わろうとしています。せめて最後になんかやった気になれるようなことの一つでもしようと思い、久しぶりにこのblogを更新しようと思い立ちました。以前も長期休暇の最終日に同じことをしたのですが、これはここから本稿で述べる「面倒くさい」病へのカウンターだと考えるのが妥当な気がします。
つまらない話で恐縮なのですが、僕もここ最近は年相応に仕事が忙しくなり始めました。しかも、40歳超えると何かしら体力的にもさらに1ランク下がってきてるのが実感できるようになりました。するとどうなるかというと、仕事以外の時間に何か「余計なことをする」ことについて考えなくなるのです。たとえば、ずっと使っている携帯をいい加減変えようと前々から思っているのですが、つい面倒くさくなって「まぁいいか」をここ1年くらいずっと続けています。もう少し若くて時間があった頃なら、次の携帯は何を買うか考えたりすることをそれなりに楽しんで検討できたと思うのですが。最近はそれよりも「面倒くさい」の方が勝ってしまうのです。

この「面倒くさい病」による「おじさん化」の進行は僕の帰宅後のささやかな楽しみの一つである「録画しといたテレビを夜な夜なビール飲みながら見る」ことにも、少しずつ影響が出てき始めています。たとえばちょっと前までやっていた「約束のネバーランド」というアニメは最初数回だけ見たら後は見なくなってしまいました。話はまぁまぁ面白かったんですけど、作品全体を覆っている空気(鬼に食べられる食糧として育てられている子供達が脱走を試みる)が重い上に、毎回脱走計画が行き詰まったりバレそうになるのが見ちゃいられないのです。
また、内容が深くてぼんやり流して見れないようなNHKの教養番組も、撮ったはいいけど見るのが面倒くさくなってHDDの中にどんどん溜まっていくようになりました。こちらはGWで暇なときにある程度見て解消できたのですが、録画した後に「ちゃんと見る」というサイクルを維持することがだんだん面倒くさくなってきてるのは実感しています。とまぁ、こんな具合に、ここまでに何回書いたかわからないですけど、とにかくいろいろなことが「面倒くさい」と思うようになってきました。

さて、ようやく本題のプリキュアなのですが。先日、会社で同僚の女性社員(女の子が一人いる)から「酸味げるさんって時々プリキュアの話してますよね?実はうちのダンナが最近プリキュアにハマり始めて、過去の作品の動画を見たり歌を覚えたりし始めて色々ヤバいんですが。。で、家で酸味げるさんの話をしたら、酸味げるさんを同志のように思い始めたみたいで、それでよかったらこれどうぞって…」と言いながら、箱買いしたプリキュアのお菓子を一つもらってしまうことがありました。
まぁ、確かにダンナちょっと大丈夫か?とは思いました。しかし同時になんとなく気持ちがわからないでもないなと思いました。プリキュアの何が素晴らしいかというと、
・最後ハッピーエンドで終わることが保証されているので安心してみれる
・敵を倒すというよりは敵の救済→共生の物語である
といったところでしょうか。別の言い方をすると、プリキュアは性善説の彼岸に位置する神話のようなものに思えるのです。そして。これが、色々なことが面倒くさくなったおじさんにはすごく効くのです。みんなそうかはさておき、少なくとも僕の場合はそうでした。

もしも10年以上前の「余計なことがしたい」盛りだった頃の僕がプリキュアを見たら、諸々の設定のディテールの幼稚さがいちいち気になって見ていられなかっただろうと思います。当時の僕はプリキュアよりも攻殻機動隊みたいに世界観やストーリーが大人向けに緻密に練られた作品の方にまだ関心を持てたと思います。しかし、今となっては逆に攻殻機動隊は観るのが「面倒くさい」部類に入りつつあります。細かすぎて疲れるんです。それよりは娘と一緒にプリキュア見てた方がいいかなと思います。
以上を踏まえた上での話ですが、エンターテイメントの中でプリキュアに一番近いのはたぶんプロレスなのではないかと僕は思います。ドロップキックを受けるプロレスラーを見て「あんのはやらせのショーだ」と切り捨てるのは誰でもできるのですが、そんなことよりリング上で展開される戦いに熱狂したり魅了されたりするには相応のリテラシーが要求されます。この「理屈を一旦放棄する」というリテラシーにおいて、大人になってプリキュアにハマれる人とプロレスファンはつながっているような気がします。

でも、僕はせいぜい子供と一緒に見る程度で十分なのですけどね。。