2023年4月30日日曜日

海中からヘリコプターを回収して、どうするのか?

 またしばらくこのblogを中断しておりました。4月から仕事の内容がだいぶ変わることになって、まぁ、簡単に言うと忙しくなったのです。ようやく一か月たって、GWに入ったことで一息つけるようになったところです。4月の忙しさはちょっぴり体にも堪えてる実感がありまして、今まで腰は特に何ともなかったのに、とうとう「腰痛おじさん」デビューしてしまいました。この先、仕事と老化とのせめぎ合いはリタイアするまで続くんだろうなと思います。

こんな風に何かに追い立てられるような生活してるとどんどん世相に疎くなっていくのですが、そんな中でも「宮古島で墜落した自衛隊のヘリコプター」の件がいつまでもロングラン公演になっている点がどうしても気になるので、今回はこの件について少々思うところを述べたいと思います。この件については、この記事を書いている現在では、「遺体の捜索はひと段落したが、フライトレコーダーのために10億円もの巨費を投じて機体を海中から回収しようとしている」というところです。

この件については、右寄りの方々を中心に「中国と何かがあったはずだ」と決めつけてかかるような人もいるようですね。まぁ、その可能性も無いとは言い切れないですが、仮にそのようなことがあったとして、中国との緊張が走るようなことを日本政府が公表するとは僕には思えないです。その一方で、「操縦ミス」「機体の欠陥」などの可能性も考えられるわけですが、仮にそれが原因だっとしても、それを公表したら自衛隊に対する信頼が揺らぐので、結局ちゃんと公表するとも思えないです。

こうやって考えてみると、フライトレコーダーを回収したところで、ちゃんとした原因が公表される可能性は極めて低いと考えるしかないのではないでしょうか?だったら、10億円があるならもっと困っている人に対して使った方がはるかに合理的なのではないかと僕は思ってしまうのです。しかし、Twitterなどで探してみた限りでは、僕のような人は少数派のようです。この件について、メディアでの報道を通じて「フライトレコーダーも回収するよね?そしてそれをみんなで見守るよね?」という無言の合意形成がなんとなくなされているように思えてならないのです。

以前このblogでも言及した通り、日本人は「悼む」という行為に耽溺したがる傾向があるように思います。亡くなった方に対して失礼な言い方になりますが、東日本大震災のような途方もない規模の話ではなく、今回の件のように「程よい規模感の死者」を悼む行為についてはある一定期間ずっと耽ってしまいがちだと思うのです。10億円あれば物価高や生活苦の中で生きている人の生活を色々助けられるはずです。しかし、今の日本人にとっては生きてる人の苦しみに寄り添うことよりも、亡くなった人を悼む行為に耽ることの方がリアリティがあるのではないかと思えてしまうのです。