2013年6月1日土曜日

遅刻に厳しいけいど終わる時間には寛容な日本人 (2011年8月、在西当時の日記より)


以下は2011年8月、在西当時の日記。



twitterの言葉botで「「あら、日本人は終わる時間には寛容なのに、始める時間には厳しいのね」という言葉を見て、ちょこっと考えました。 
https://sites.google.com/site/kotobabot1/1601-1700/1674 
http://www.j-cast.com/kaisha/2010/09/06075122.html 

まぁたしかにその通りなのです。特にラテン国家は時間が守れないというか、あんまり時間にきっちりしてない人が多いので、日本人としては本当にイライラすることはよくあります。例えばスペインで誰かの家でパーティーを8時からやるといわれて、もし本当に8時に行ったらたぶん誰もいないはずです。パーティーのホストもたぶんちょっと迷惑そうな顔をするだろうと思います。だいたい集合時間の1-2時間後くらいにのそのそ人が集まってくるのが普通だそうな。だけどこれがレストランの予約だったら、さすがに1時間も遅れるとマズいとは彼らも思うらしいのです。どうもこのへんの力加減は一年近く経ってもよくわかりません。 

しかし上記の言葉は、日本と欧米(という言い方を便宜上採用するけど、とりあえず僕の知る限りではスペイン)との間で「公」と「私」のバランスが完璧に逆転しているということを端的に示しているように思えるのです。日本の社会ではなんだかんだ言っても「公」が「私」よりも優先です。色々な「私」を犠牲にしてでも、「公」のために決められた時間に集合場所までたどり着くことがまず求められます。 
そして決められた時間に集まった後は、もちろんさっさと終わった方がうれしいのは誰だってそうなんですが。日本は「公」が優先なので、時間以内に物事が終わらなかったらお互いの「私」を犠牲にして時間を延長してでも目標を達成しようとします。さらに言うと、そうやって互いに「私」を犠牲にしあうことでむしろ何かしらの連帯感みたいなのが生まれたり、で、その連帯感を深めるために「私」をさらに削って飲みに行っっちゃったりするわけですよね。。たぶんこの「飲みニケーション」の辺りからスペイン人には理解不可能な世界なんだろうと思います。まぁ、僕の考えてる「日本」も田舎にある自分の会社をイメージしてるところがあるので、東京辺りではもう随分違ってるんじゃないかとは思いますが。

スペイン人って、「できたところまででお互いに許しあう」とか、「とりあえず決められた時間になったらそこで強制終了」みたいな文化が割と徹底してるように思うのです。その昔、初めてバルセロナに出張してきたときに。出張で話し合うべき議題があまりまとまらないまま最終日(金曜日)を迎えたので、「明日(土曜日)のフライトは昼からだから、明日の午前中も話をしようか?」と提案したら、出張先の会社の社長に「えー、ダメに決まってんじゃん。俺は明日車借りて**にドライブに行くことになってるから。」と言われたときにはびっくりしましたが。彼らの世界では「私」が「公」より優先なのです。だから明日遊びに行く予定がすでにあることは、提案を覆す正当な理由なのです。日本人だったらさすがにそこでわざわざ本当のことは言わないでしょう。「明日は私事でどうしても外せない用事がありますので。。」くらいの説明にとどめるでしょうね。 

例によって、どっちも一長一短あると思うので、どっちがいいかは何とも言えませんが。働く側としては確かに何時までに来なければいけないとか、そういう細かいルールが無い分だけスペインの方が働きやすいと思うときはあります。が、その分だけ自己管理が求められます。先日風邪気味なので仕事を休んだときには、有給が消化されたわけでもなく、上司に報告するわけでもなく、何も減らないまま自分が休んでいることに逆に不安を感じました。どうせだったら、日本にいたときみたいに消化しきれない有給が一日減るくらいの方が、休む上でむしろ精神衛生上いいんじゃないかとさえ思いました。やっぱり僕は日本人なんだなぁと思いました。文句言いつつも、ほどほどに管理されてた方がなんだか安心するのです。

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