これを書いている現在、台湾に関する 高市早苗の問題発言から10日近く経過しようとしています。日本政府は官僚を派遣したり色々と手は打っているものの高市早苗が発言について謝罪や撤回をする様子はなく、中国は海産物の輸入禁止などのカードを段階的に切って日本へのプレッシャーを着実に高めている…という状況です。率直に言うと高市早苗のオウンゴールによって日本のみならず台湾までいい迷惑を被った結果となりました。
高市は支持基盤がネトウヨ層である手前、中国に対して謝罪などのアクションは取りたくないのでしょうが。中国相手に「時間が経てばウヤムヤになる」ということはまず期待できないと思います。おそらく中国は高市の辞任か謝罪のどちらかを選ばない限りは段階的にカードを切り続けてくることになると思います。高市を支持する日本のネトウヨ層も、「ファンタジーの満足」だけではなく「メリット/デメリット」とのトレードオフについていよいよ考えざるを得なくなるだろうと思います。
このblogで何度が紹介している岸田修の「内的自己・外的自己」モデルで考えると、高市政権の支持基盤は「内的自己」によって駆動されていると言えるわけですが。いよいよ「内的自己」と「外的自己」の折り合いをつけざるを得ない局面にとうとう追い込まれたはじめたのではないでしょうか?というのも、高市のオウンゴールは最終的に「アメリカという父」に加えて、新たに「中国という父」に対して日本が隷属する形でしか決着することができないからです。
この先日本は二つの父に隷属する国になっていくだろうと思います。このような状況をうまくやりくりするには、内的自己ではなく外的自己(=外的環境に適応していく)が優位にならざるを得ないと思います。かつての琉球王朝は中国と日本との二重朝貢を巧みに行うことで弱小ながらもある程度の独立を保つことができていました。アメリカと中国という二つの父に挟まれることになってしまった日本のこの先のロールモデルとして、「外的自己」優位のしたたかな国家運営を行っていた琉球王朝から学ぶことは多いのではないかと思います。