2025年4月20日日曜日

トランプとペリー

これを書いている現在、日米での関税交渉が行われた直後です。交渉から帰ってきた赤沢というパッとしない自民党の政治家の「日本はアメリカの格下」という属国民マインド溢れる発言が物議を醸している状況です。現政権では小林よしのりが言うところの「親米ポチ」に100%振るしかない…のでしょうね。普段「愛国」とか言う人は、こんな時くらいはさすがに「国辱だ!」とか怒ってもよさそうなものなのですが、ネットを見ている限りでは日本の右翼のマジョリティはこの点についてほぼスルーのようです。

Twitter改めXを見てみると、ネトウヨ層は今回のトランプ関税に対してむしろ好意的で、その理由は「中国に対抗していること」にあるようです。日本のネトウヨ層は嫌中・嫌韓にはものすごく感度が高いので、中国に対して対抗姿勢を見せているだけでもトランプは賞賛に値するのでしょう。ネトウヨ層のコメントを見ていると、「日本はアメリカの格下=属国」についてあまり反応している様子はなく、その一方でアメリカが中国に対抗する姿勢を打ち出していることに対しては快哉の声を上げているように見えます。

ネトウヨ層の嫌中・嫌韓(最近ではクルド人なんかもここにはいるのでしょうが)などの排外主義に対する異様なまでの熱意は、「アメリカという父」という問題をマスキングするための症状であると僕はずっと思っていたのですが。今回のトランプ関税に対するネトウヨ層の反応は、精神分析的な文脈で言うところの「アメリカという父」という「無自覚の病の原因(=トラウマ)」によってもたらされた「症状」である「近隣アジア諸国の排斥」が繋がってしまったように思えるのです。このように原因と症状が同じ方向を向いたことによって、「アメリカという父」という日本人のトラウマの物語は新たな局面に差し掛かったのではないかと思えてならないです。

今回のトランプ関税については「ペリーの不平等条約の再現」という文脈でのコメントもネット上には多数みられます。右翼の中からも「このような不平等条約は国辱である」「日本国民の生活を守れ」といってトランプ関税に反対する人が出てきて、ここである一定の支持を集めることを期待したいです。右翼側だと「アメリカという父」からの自律について言及しているのは新右翼の一水会や小林よしのりなどの一部に限られていていますが、こういう人達とれいわ新選組や共産党が手を組んで、幕末の「薩長同盟」のような形で日本の政治体制を改革する…といった展開になってくれないですかね?

勿論、この両者が手を組むのはそんなに簡単に上手くはいかないでしょう。それでも、今の自民党政権が続くよりはまだそっちの方がマシだと期待したいです。「トランプ=ペリーの再来」という黒船が迫っている時だからこそ、明治維新のように日本が大転換を迎えるチャンスになることを願っています。

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