2013年10月20日日曜日

パエリアは米という野菜を使った料理なんだそうです

スペインに住んでたという話をすると日本人が連想するのが、サグラダファミリア(およびガウディ)、闘牛、フラメンコ、サッカー、ワイン、そして食べ物だと真っ先に出てくるのはやっぱりパエリアです。今回はパエリアの話を書こうと思うのですが、その前にまず上述のキーワードがスペインのどこに行っても同じように見られるわけではないという話をちらっとしますね。例えば闘牛。これはバルセロナを含むカタルーニャ自治州では法律で禁止されているのでもう見れません。フラメンコも本場は南部のアンダルシア地方なのでカタルーニャでは観光客相手のなんちゃってフラメンコしか見れません。こんな具合に地方によって文化がだいぶ違うのです。
食文化も当然地域によって異なっておりまして。ざっくり言うと、海沿いのエリアでは魚介類を食べますが、例えばマドリなどの内陸部は海から離れているので魚介よりも肉中心の食文化だったりします。

で、ようやくパエリアの話になるんですが。。パエリアはスペイン全土である程度食べられてはいますが、やっぱり本場は発祥の地であるバレンシアです。なんたってバレンシアはパエリア作るのに必要な米の一大生産地ですから。そして、パエリアの具なんですが。日本人の想像するパエリアというのはたいていエビやムール貝などの魚介類の乗った物だろうと思うのですが。本場バレンシアのパエリアは基本的にウサギ(か鶏肉)とインゲン豆なんだそうです。
バルセロナ(およびカタルーニャ地方)でもパエリアは食べられていますが、雑炊みたいにスープがわりと残っているパエリアや、フィデウアと呼ばれる極細パスタのパエリアなど、ちょっと本場バレンシアとは色々と事情が違ってます。あとなぜか、木曜日はパエリアの日ということになっているので木曜日はあらゆる食堂が必ずと言っていいくらいパエリアを出します。ただし、基本的に前菜として。

この「前菜として」というのが曲者なのです。パエリアをメイン料理として出すお店もあるにはあるのですが、一般的にスペイン人の習慣ではパエリアは前菜の扱いなのです。これたぶん、イタリアでパスタが前菜なのと同じ感覚だろうと思います。
そしてスペイン人の感覚ではパエリアと言うのは米という野菜を使った料理なんだそうです。ここが日本人には理解しがたいところなのですが、スペイン人の食文化では米はあくまで野菜のカテゴリに入るため、主食だとは思っていません。だから何って、パエリアを主食のパンにのせて食べるのはスペイン人の感覚からすると普通のことなのです。日本人の感覚から言うとお好み焼き定食みたいな炭水化物と炭水化物の組み合わせなんですけどね。

そして問題は塩加減です。主食のパンと一緒に食べて丁度いい程度の塩加減になることを想定されているので、日本人の感覚から言うとスペインの一般的なパエリアはしょっぱいことが多いのです。定住しはじめて最初に近所のテキトーなバルで食べたパエリアはあまりにしょっぱいので1/4くらい食べたところでギブアップしました。以来、パエリアを頼んだ経験の無い店では不用意にパエリアを頼まなくなりました。
現在の日本の職場にいる外国人を見てる範囲での話ですが、日本の食文化の中でも「味のついていない白ごはん」が苦手な外国人は多いようです。三角食べになじめない人が多いとか、そこそこ塩味のついてるパンに比べると白ご飯は塩気がほとんど無いとか、色々理由はあるのですが。彼らからすると、日本の白ごはんというのは米という野菜を煮ただけで味がついていない物なので、そのままだと食べるのが辛いというのもあるようです。イメージしやすいようにたとえ話にすると、日本人が外国で味のついてない茹でただけのジャガイモを主食として出されたらたぶん塩くらいはかけたくなるでしょう?それと同じことです。実際のところ、白ごはんの苦手な外国人はたいてい白ごはんに醤油をかけて食べてます。

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