2018年10月16日火曜日

レンタル店に未来はあるのか?

「お父さん、休みの日だからってゴロゴロしないで!」と言われながら、掃除機をかけている奥様に邪見に扱われる…そんな漫画みたいなおじさんになる日が自分に訪れるとは全く思ってませんでした。少なくとも、子供が生まれるまでは全くそんなこと考えていなかったと思います。しかし、子供が生まれてひと段落して気が付いてみたら、僕は休日をほぼ「漫画みたいなお父さん」のように過ごしています。
なんでそうなるか?という問いに一言で答えると、「日本の育児においてお父さんは実質的には大して役に立たない」からです。もうちょっとちゃんと説明すると、役に立たないからといって、家族を放ったらかしで遊んでていいかというとそんなこともない。つまり、日本のお父さんというのは「育児において役に立たないけど、その役に立たなさにじっと耐える」ことが要求されているのです。
これを具体的に実践すると、休日は「ただ家でゴロゴロしている」しかないのです。奥様と子供の間の関係は平日も含めた日々の生活の中でしっかり構築されていて、そこに僕が休みの日だからといって張り切って混ざりに行ってもウザがられて終わるだけなのです。だからといって、自分ひとりで好き勝手に遊びにも行けない…となると、家でゴロゴロしている以外にできることか無いのです。

さて、こんな冴えない休日ではありますが、たまに子供と僕の二人だけで外出できるチャンスがあるなら、そういう時はなるだけ二人で外出するようにしています。理由は単純で、普段子供の相手をほとんど押し付けっぱなしになっている奥様に一人きりになれる時間を作ったり、普段なかなか無い母親不在での子供と二人だけの時間を作ったりできるわけです。それは、基本的に「役に立たないお父さん」としてゴロゴロしてるだけの休日の中では、ちょっとだけお父さんも張り切っちゃう時間なのです。
そんなわけで先日、子供が行きたいというので某大手のレンタル店にやってきました。ここは奥様が会員になっているので僕は奥様の会員カードを持っていきました。子供がプリキュアなどなどのDVDを選んできたのでいざセルフレジで会員カードで精算…とやろうとしたら「このカードはご利用になれません。カウンターまで来てください。」というメッセージが画面に表示されました。言われるがままカウンターに行くと、店員のお兄ちゃんが「これカードの名義が****様ですよね?ご本人様以外はご利用になれません」と言われてしまいました。かくして、結局一旦家に帰って奥様本人が後でお店まで行って借りることになりました。

この店員の言ってることは規約上は何もおかしくないんだろうとは思うのです。しかし。例えば「身分証明書見せて苗字が一緒だったら家族だろうと推測されるから使っていいことにする」とか、その程度の融通の利く対応はできないんでしょうか?あらゆるサービスが「個人」にしか紐づいていなくて、「家族」という単位には結びついてくれないのはなんとも不便な気がするのです。例えばスペインだと銀行口座を奥様と共有するということができました。この場合、口座番号は一つだけで、そのカードを奥様と僕のそれぞれのために個別に発行してくれるのです。このサービスは今思い出しても非常に合理的でした。
同じようにレンタル店の会員資格を家族全員で共有しちゃダメなんですかね?だって、同時に借りられるソフトの上限は1個の会員資格につき決まった上限があるわけですから、会員資格を「口数」単位で購入して家族で共有するのは理にかなっているように思います。実際、我が家のように子供のためにDVD借りに行くだけの利用方法の場合、家族の誰かが都度子供を連れていくことになるので、家族間で会員資格を共有できてくれるとすごく助かるのです。

何よりもこういう融通の利き方ができないと、リアル店舗のレンタル屋とネットの動画配信サービスの差がどんどん広がる一方だと思うのです。ネットの動画配信サービスの場合、アカウントとパスワードさえ共有してしまえば誰が実際に使っているかは不問になります。つまり、サービスを家族全体で共有することができちゃうわけです。ただでさえ、お店までわざわざ行くのが手間だったり、ほかの人が借りてると借りれなかったり、店舗に在庫を抱える以上マイナーな作品までラインナップするのが難しかったり…と、実店舗のレンタル店は動画配信サービスに比べると色々不利な点があります。件のレンタル店の対応は、規則には順じているのですが結果的にレンタル店という業態そのものの「緩慢な自殺」のように僕には見えるのです。
とまぁ、ここまで色々文句言いながらもなんで我が家が動画配信サービスではなくリアル店舗にこだわっているかというと、
・多少たりとも子供と家の外に出るキッカケにしたい
・定額見放題の配信サービスは子供のテレビっ子ぶりに拍車がかかる
と、リアル店舗のデメリットが程々に我が家にとって都合がよいからなのです。子育て世代にはこんな理由でリアル店舗を利用する人がまだそこそこいるんじゃないかと思うのですが。そんな層に対しての利便性を向上させる努力をしないと、リアル店舗に明るい未来が見える気はやっぱりしないのであります。

0 件のコメント:

コメントを投稿