その一方で、ちばてつやは本来「キャプテン」のように、もうちょっと朗らかで暖かな漫画を描きたかった人なのだと思います。大昔に、BS漫画夜話で「あしたのジョー」を扱った回ではそこを指摘されていたのを今でも覚えています。誰が言ったのか忘れたけど、「最終回に近づくにつれて、ドヤ街の子供たちなどの『ちばてつや的なキャラクター』が出てこなくなり、梶原一騎的なキャラだけが描かれるようになる」ということでした。そこに、ちばてつやの葛藤が見て取れる…というような話だったような記憶があります。
で、ようやく幽遊白書の話になるのですが。。幽遊白書もスタート当初は桑原やコエンマなどのギャグ担当キャラや、蛍子/ぼたん/静流/雪菜などの女子キャラも登場して恋愛要素も含まれていたのです。しかし、途中からこれらのキャラは登場しなくなり、魔界でのトーナメント大会に至ってはどこか殺伐としたバトル漫画になってしまいました。この幽遊白書の変遷と「あしたのジョー」の展開はどこか重なって見えるのですが、それについて言及している人はウェブ上に未だかつて誰も見たことがないのですね。せめて、ちばてつやが亡くなったこの機会にそれをネットの片隅に書き残しておきたくなったので本稿をしたためてみました。
幽遊白書は最終回になって蛍子や桑原が登場して終わりますが、「最後そこに帰ってくる」という終わらせ方しかなかったと思うし、逆に言うとその終わらせ方ができるからこそ終盤はバトル漫画に全振りできたのではないかと思います。そういう意味では、色々な人の説得に対して何の迷いもなく破滅へ向かって突き進んでいったジョーとの決定的な違いでもあると思います。どっちかというとジョーと重なるのは「進撃の巨人」のエレンなのですが、いやでも、エレンは最後ミカサに殺してもらうことで救済されたし…とか言い出すと話がとっちらかってきたので、今日はこのあたりにしておきます。
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